相愛高等学校 相愛中学校 オフィシャルブログ
行事報告
クラブ活動報告ページはこちら
コンサート活動報告ページはこちら
2011年03月10日

平成23年2月26日~高校卒業式~

2月26日(土)、本校講堂において第63回高等学校卒業式が挙行されました。

2011sotugyou_01.jpg 

高2音楽科の生徒達が卒業生に花むけの演奏をしてくれました。

2011sotugyou_02.jpg

制服を着てみ仏さまに手を合わせるのも今日が最後です。

 

2011sotugyou_03.jpg 

卒業証書授与。クラス担任から名前が呼ばれ、校長より一人一人に渡されます。

 

2011sotugyou_04.jpg 2011sotugyou_05.jpg

    卒業生代表による献花です。           卒業生代表による焼香です。

 

2011sotugyou_06.jpg  2011sotugyou_07.jpg

学校長による式辞(下に全文を掲載しました)         理事長からの祝辞

 

2011sotugyou_08.jpg

       学園長による祝辞

 

学業成績優秀な生徒に対して本願寺賞をはじめ大阪府知事賞、日本私学連合会賞、大阪私学連合会賞、また高校3年間皆勤の生徒に対して皆勤賞が与えられました。

2011sotugyou_09.jpg  2011sotugyou_10.jpg

2011sotugyou_11.jpg  2011sotugyou_12.jpg

 

 

2011sotugyou_13.jpg  2011sotugyou_14.jpg

     在校生代表による送辞です。          卒業生総代による立派な答辞です。

 

2011sotugyou_15.jpg

卒業式後、校庭で記念写真を撮りました。

 

第63回 卒業証書授与式 式辞

記録的な猛暑の夏と、大雪の冬を越えて、今ようやく穏やかな季節の訪れを感じる頃となりました。創立以来122年目を迎える相愛高等学校を本日晴れて卒業される皆さん、またお嬢様を支えてこられた保護者の皆様、ご卒業おめでとうございます。教職員一同、心からお祝い申し上げます。
本日は本願寺派総務様、津村別院輪番様を始め多数のご来賓の皆様、併せて保護者会である育友会、同窓会、また共愛会、後援会の皆さまを始め本校にご縁の深い方々のご臨席を得て、卒業生の旅立ちを見送ることができます。厚く御礼申し上げます。
さて、卒業生の皆さん、平成22年度という年は日本の学校教育に大きな変化のあった年でした。昨年の4月以降何度となく申し上げてきましたね。高校生に対する国や各府県の「就学支援金」が始まりました。国の予算だけでも4500億円を超える税金からの出費を国会や府県の議会が決めたのです。
その目的はただ一つ。この国と社会の未来のためです。今この国は経済の力が低下し、大人が生きがいを見失い、そして若者が未来に夢を抱けなくなっていると言われています。例を挙げる必要がないほど皆が感じていることです。
本来なら中小の企業を支援し、公共事業を進めて仕事を作り出すなど、大人自体を援助する必要があるときに、それを止めてまで高校生を経済的に援助しようと大人は判断したのです。
言うなれば、皆さんの若さと意欲と、これからの長い人生に対して、この国はお金を投資したわけです。大人だけではうまくゆかないから、また何十年後のこの国をリードし、支えていって欲しいから若い皆さんに期待する。大人の希望なのです。
高校を卒業しようとする今、このことをもう一度お話ししておきますので、この社会があなた達若者を必要としていることをしっかりと心に刻んでおいて欲しいと願います。
さて、相愛の卒業生となられた皆さん、皆さんは6年間、あるいは3年間をこの本町の相愛学園で過ごされました。土曜日を含む週6日の授業を受け、宿泊研修に参加したり、相愛大学の先生の講演を聞いたりしました。インターハイや全国大会に出場する部活動に励まれた人もいますし、音楽科として日々レッスンに精を出された人もいます。特進コースでは夏冬の講習に熱心に参加されました。その成果を全て申しあげるには時間が足りませんが、本校のホームページを見て頂くだけでも、様々な活動に参加して、大きな成果を上げられたことが分かります。
数々の学校行事の中でも、本校独自の宗教教育を置いて本校は語れません。皆さんは毎日の礼拝の中で阿弥陀如来様のお名前をお称えし、また親鸞聖人の御教えに基づいた朝夕の言葉を唱和して来ました。
共に声を合わせて真宗宗歌を歌い、掌に乗る小さな冊子「日々の糧」を声を合わせて朗読する時、それぞれの人の持つ自己中心的なはからいの心の愚かさに気づかされて、相愛の生徒、教職員としてあるべき自分を探しているはずです。私はこのままでいいのだろうか、もう少しいい自分はどこにいるのだろうか。礼拝をする数分間は、自分を見つめ、あるべき自分を探す数分間なのです。
講堂礼拝でお話ししましたが、あるとき私が私学の合同説明会のテーブルに座っていますと、女子中学生が2人、私学の先生方の間を不安そうに行ったり来たりしていました。見かねて、「どの学校に行ったらいいか教えてあげるよ」と声をかけますと、ホッとした様子で座ってポツリポツリと話し始めました。聞けば公立高校を第一志望とするので私学は併願しようと思うが、どの私学がどのような難易度か分らないから相談ができないと言います。塾は通っているのだが、そこまでの指導は受けていないとのこと。でもどうにかしないといけないので、今日は2人で誘いあって来たとのこと。
私はお2人を褒めてあげました。相愛の基準でいえば決して服装も中学生らしいとは言えず、成績もあまり芳しくはないらしいのですが、2人で話し合って、併願先の私学を探すために休みの日に電車に乗って遠い会場に相談に来る。その姿勢が素晴らしいし、それが一歩ずつ大人になることだという風に。
その後お2人は、一度は相愛を受けたいと言ってくれましたが、通学時間がかかることと、実力が不足気味なので結局は出願されませんでした。
しかし私は、数多くの来場者の中で、手をつなぐようにして不安なまなざしで会場を歩きまわっている中学3年生の女子生徒の姿を今でも覚えています。
始めて一人で遠くに出かける子供のように、初めて海外旅行をする学生のように、不安だけれどもここで何かを見つけて帰らなければならない。大げさですが悲壮な決意を見たような気がします。
おそらくは今頃、どこかの私学の試験を終えて、第一志望の公立高校の準備をしていることだろうと思います。
先ほど卒業証書を受け取られた皆さん、皆さんの4月からの行く先は、それぞれ異なります。仮に同じ大学や専門学校に進むとしても、学科や専門が違い、高校のように同じ教室で一日一緒に過ごすことはありません。一人ひとりがそれぞれ別々の日々を過ごして行きます。不安?でしょうか。いえ、そうではありません。大人が皆通って来た道なのです。皆さんに最も必要な学問やレッスンが待っている道なのです。どうか4月からの生活の中で、私はこれをするためにこの学校に来たのだと言えるものを早く見つけて欲しいと心から願っています。
お別れの時が近づきました。
我々教職員の願いは、そして保護者の願いは皆さんの健康と幸せです。そしてその健康と幸せを獲得するためには、現代の社会ではいささかの努力と工夫が必要です。その努力と工夫の方法は、皆さんがこの相愛学園で学んだことなのです。
荒れた世の人のために、共に手を携えて立ち上がる女性になられることを心から念じて、卒業式の式辞と致します。
平成23年2月26日
相愛高等学校 校長 牧本 英男

 

2011.03.10
このページの先頭へ