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2014年03月04日

キャリア教育「美味しいものだけを食べるのは、良くない」

 昨日(3/3)書店で次の2冊が目にとまりました。こんなことを言ってくれるオピニオンリーダーがいて嬉しいなと表紙を見て思いました。ぼんやりキャリア教育のネタはないものかと思っていましたので、この感慨をつづらせてもらいます。

 内田樹 小田嶋隆 平川克美『街場の五輪論』朝日新聞出版 (2014/2/20) 

 養老 孟司『養老孟司の大言論II 嫌いなことから、人は学ぶ』 新潮文庫 (2014/2/28)

前者には、「今、ニッポンには夢の力ではなく、現実を直視する力が必要だ。大いに異義あり!」と記されています。ニヤッとしてしまいました。「ニッポン」を、「私」「あなた」「彼女」「私たち」という人称代名詞に変えたり、人名に変えてみてください。いかがですか?「夢」に依存している私たちがあぶりだされませんか。現実から目を遠ざけているモードに気がつきませんか。私は、言い得て妙だなと感じたのです。具体的に述べてみましょう。私たちは、何かを志すときに目標を立てます。しかし、この目標がかなり現実的でないときもモチベーション維持のために「夢」として希望を抱き続けるものです。ただ、「夢」に目を向けるあまりに現実から逃避する副作用に気づかぬままにいることがあるということが問題だというのです。誤解なきよう言い換えると、『「夢」をもつなと言うのではない。「夢」を持つなら副作用に注意せよ』ということなのでしょう。ここら辺まで読んで、お説教かと思う人のために話題を2冊目にむけてみましょう。 

 「嫌いなことから、人は学ぶ」に魅せられてしまったのですが、何を考えたか判りますか。もちろん、前記の『街場の五輪論』に引っ張られていることは、間違いありませんが、実は「お弁当」を連想したのです。小さな頃にお弁当のおかずに嫌いなものが入っていて、残して帰って家で叱られたという経験は誰にでもあるのではないでしょうか。私は、「お弁当」をこう思っています。「給食はプレタポルテ、お弁当はオートクチュール」。最近では、給食を出さないお弁当持参の幼稚園が、グレードの高い良質の教育を施す幼稚園と重なるのだとか。ひとりひとりの栄養バランスを考えて作られたお弁当こそが、食べる人にとって最高の昼食です。栄養バランスのほか、たくさんの愛情も注ぎ込まれていますから、とてもイイモノであることは間違いないのです。「嫌いなこと」に、こんなことを思い浮かべました。もう少し続けます。我慢して読んでください(栄養になりますから 笑)。  

 こうした嗜好と人の行動は、若い人や生徒学生の勉強にとどまりません。「私、できません」「ムリ~」というのは、これです。社会に出ると、「仕事の責任」「製品や仕事の完成度」を盾にして、押し通す人が少なくありません。こういう態度を貫く人が、周りからどのように思われるようになるか、説明するまでもないことですよね。それでは、今から何をすべきか考えましょう。「わかる~」って言って喜ぶんじゃなくて、「わからないこと、見~つけた」って喜ぶ方が良いんですよね。わかるかな。  

 ちなみに蛇足になりますが、おいしいものだけを食べるのは辞めようと思いました(比喩ですよ、ココは。)したがって、上記の本、昨日は購入しませんでした。 

(文責 キャリア教育推進部 部長 若生哲)



2014.03.04
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