「沙羅の木だより」第2号

平成30年5月9日


 GWもあっという間に終わってしまいました。各地の行楽地は例によって、人・ヒトであふれかえり、新幹線や高速道路の混雑ぶりは半端なものではなかったようです。私はこの間、自宅で休養に専念(寝正月ならぬ寝GW)していたので、しっかりリフレッシュできました。ところで、「ゴールデンウイーク」という名称は和製英語、つまり日本人が作り出した英語であることをご存知でしたか。もともと昭和20年代後半、当時盛況下にあった映画会社の関係者が宣伝用語として提唱した言葉が、その後一般にも使用されるようになり、他の業界にも広まったものです。同じような和製英語として、「ゴールデンタイム」があります。これは1日のうち19時から22時の3時間、放送業界で視聴率が高くなりやすい時間帯を指す用語ですが、アメリカなど英語圏の国々では、この時間帯は「プライムタイム」と呼ばれており、ゴールデンウイーク同様、日本国内でしか通用しない英語です。

 さて、旧暦で5月を皐月と称することはよく知られていますが、これは、田に早苗(若い稲の苗)を植える早苗月に由来するそうです。現在使われている新暦は、太陽の運行をもとにした太陽暦で、地球が太陽をひと回りする周期を1年とするものです。日本で太陽暦が採用されたのは1873(明治6)年で、それまでは太陰太陽暦(月の満ち欠けのほか1年間の太陽の動きを考えに入れた暦)を長い間使っていました。そこで、新しく採用された暦を「新暦」、古い暦を「旧暦」と呼ぶようになったわけです。ちなみに、旧暦では1月から順に、睦月、如月、弥生、卯月、皐月、水無月、文月、葉月、長月、神無月、霜月、師走となるのですが、先日、高1の講堂礼拝(※)の際、ある生徒にそのことを質問したところ、見事に全問正解してくれました。その生徒曰く、「小学校で習いました」とのこと。そんな昔のことをよく覚えていましたね。すばらしい! (※ 毎朝学年ごとに講堂で行っている朝礼です)

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 昔から「五月病」という言葉を耳にします。五月病はGW明け頃から新入生や新入社員に見られる、新しい環境に適応できないことに起因する精神的な症状の総称です。誰にでも発症の可能性がある五月病ですが、予防のために心がけたいことは、いやなことは引きずらないで、よく寝て忘れること。気分転換を図り、極力ストレスをため込まないこと。そして、ときどき以前の友だちと会って話すことも良いと言われています。おかげ様で私は、これまで五月病とは無縁の生活を過ごしてまいりましたが、この4月以降は「土曜病」に悩まされています。公立学校にいた長年の習慣で、土曜日は身体が休め休めと言っているようで、「気持ちはあるけん、体はついてこん。」それでも、老体に鞭打ってがんばります!