「沙羅の木だより」第9号


平成30年6月19日


 昨日午前7時58分、大阪府北部で起きたマグニチュード(M)6.1、最大震度6弱の地震では、マスコミ等の報道によりますと、4人がお亡くなりになられ、370人以上が負傷されました。犠牲になられた方々にお悔やみ申しあげますとともに、被災された方々にお見舞い申しあげます。今回は、地殻内部で起きた直下型地震で、大阪府において震度6以上の揺れを観測したのは、気象庁が1923年に地震観測を始めて以来、初めてのことだそうです。地震発生当時、すでに4分の1程度の生徒が登校していましたので、揺れが収まるのを待って、校内放送により全員を校庭に集め余震に備えたところです。生徒の皆さんは、不安な表情を浮かべながらも、冷静に落ち着いて行動してくれました。この点は、先月25日(金)、地震を想定した避難訓練を実施したばかりでしたので、その成果が多分に発揮できたと思います。地震の大きさや公共交通機関の遮断状況を鑑み、午前10時の段階で一日休校とすることを決定し、直ちに保護者メールや学校ホームページにその旨を掲載、周知したところです。併せて、登校していた生徒や通学途中の生徒に対して、保護者の了解のもと、交通機関の復旧具合を見極めながら、順次帰宅の途に就かせました。滋賀県や兵庫県など遠方から通学している一部の生徒については、同じ方面へ帰宅する教員が同行し、安全上の配慮をいたしました。学校までお迎えに来ていただいた保護者の皆さまには、どうもありがとうございました。改めて感謝申しあげます。

 「天災は忘れた頃にやってくる」、これは科学者で随筆家の寺田寅彦が残した言葉だと言われています。起きてしまった災害を忘れることなく、日々の備えを怠らないよう心がけたいものです。

 ところで、実は、6月18日(月)2・3限目は、東京演劇集団『風』の皆さんによる「ヘレン・ケラー ~ひびき合うものたち」を鑑賞する予定になっていました。前日の日曜日、半日かけて本校講堂に舞台を作りあげて、あと2時間ほどで幕があがる、というところの地震発生でした。中止となり黙々と舞台の撤去作業をしておられた劇団員の皆さんに、事情説明とお詫びを申しあげたところ、代表の方から「多くの生徒さんから『観たかったです』と声をかけてもらい、うれしかったです。ぜひ、もう一度チャンスをください」と言っていただきました。生徒の皆さんも、今回の芸術鑑賞をすごく楽しみにしていましたので、今後、劇団側と日程調整等させていただいて、いま一度、鑑賞の機会を設ける方向で検討したいと考えています。

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