「沙羅の木だより」第11号


平成30年7月2日 


 ささの葉さらさら のきばにゆれる お星さまきらきら きんぎん砂子♪
 五しきのたんざく わたしがかいた お星さまきらきら 空から見てる♪


 これは、1941年(昭和16年)に文部省発行の『うたのほん 下』に掲載された『たなばたさま』という七夕を代表する歌で、私も小学生のころ唄った記憶があります。七夕には短冊に願い事を書いて笹の葉に飾るという、江戸時代から始まった風習にちなんだ歌詞になっています。七夕祭りは、中国で始まり日本に伝わったものですが、短冊を飾るのは日本の独自の風習だそうです。このたなばたさまの歌詞には、現在はあまり使われていない言葉が出てきます。「のきば」は、軒(のき)の端(はし)を指す言葉で、屋根が建物からはみ出している部分が軒で、軒端はその下の部分になります。のきばに短冊を飾った笹の葉を置き、風に揺れる様子が歌詞になっています。「砂子」は、金や銀を細かい粉にしたもののことで、天の川を金や銀を散りばめた様子に例えたものです。「五しき」は、中国では七夕に五色(青・赤・黄・白・黒)の紐を飾っているそうで、日本は短冊を飾る風習となったため、願い事を書いた五色の短冊という歌詞になっています。現在は、五色にこだわらず様々な色短冊が飾られています。このように、歌詞の意味を知りながら、改めて七夕の歌を聞いてみると、その情景が浮かび、七夕気分も高まることと思います。

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 さて、事前学習はこれくらいにして、本校では6月30日(土)放課後、中学生徒会主催イベント「七夕」が行われました。ムムッ、「七夕は7月7日やんか」と思われるかもしれませんが、その日は期末考査のまっ最中ということで、1週間繰り上げての実施となりました。今年のテーマは「叶えたい夢」、それぞれの夢を書き込んだメッセージカードが食堂に掲示され、併せて、願い事が書かれた短冊が正門付近やシンデレラ階段に飾られました。「レギュラーメンバーに入れますように」「コンクールで優勝できますように」「○○くんに会えますように」等々、女子校生らしい夢や願い事の傍らで、「南国で暮らしたい」「平凡からの脱却」といった、おそらく『大人』が書いたと思しき短冊まで、様々あって興味深かったです。校長先生は何と書きましたかって? ウーン「体重が減りますように」or「家内安全」かな。食堂では、七夕限定のコンペイトウや駄菓子の詰め合わせ袋が飛ぶように売れていました。甘いあまいお菓子と織姫と彦星のラブストーリーに、思いを重ねる相愛の乙女たちでありました。中学生徒会の皆さん、いろいろご苦労さまでした。

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 もうすぐ、期末考査です。試験勉強がんばりましょう!