「沙羅の木だより」第29号


平成30年10月31日


 「天高く馬肥ゆる秋」、まさにこのことわざがふさわしい、すばらしい天気が続いています。おそらく、1年中でいちばん良い季節かもしれません。この有名な言葉は、中国・唐の詩人、杜審言(としんげん)の「雲浄妖星落 秋高塞馬肥」(雲清くして妖星落ち、秋高くして塞馬肥ゆる)に由来します。当時の中国では、北方騎馬民族の匈奴が秋になると大挙して略奪にやってきたので、前漢の趙充国(ちょうじゅうこく)将軍はそれを見抜き、「馬が肥ゆる秋には必ず事変が起きる。今年もその季節がやってきた」と、警戒の言葉として言ったものです。いま私たちが使っている意味とは全く違って、唐時代の人々のリアリズムを体現したことわざなのです。

 さて、先週27日(土)午後、高校音楽科・中学校音楽科進学コースの皆さんによります「第2回定期演奏会」が本校講堂にて開催されました。当日は朝まで雨が降っていて天気が心配されたのですが、昼からは太陽も顔を出し、絶好の演奏会日和となりました。オープニングの「相愛学園歌」の全体合唱にはじまり、各専攻の成績優秀者による独奏・室内楽と続きました。私は自慢じゃありませんが、カスタネットとトライアングルくらいしか叩けませんが、さすがに音楽科の皆さんはラベルいやレベルが違う。特に、シベリウスのヴァイオリン協奏曲(略してシベコン)は、数あるヴァイオリンコンチェルトの中でも難曲中の難曲で、相当なテクニックが必要とされる曲ですが、第1楽章を見事に演奏しきってくれました。高3のTさんに「あっぱれ!」です。同じく高3のMさんが聴かせてくれた「浜辺の歌」は、私も小学生のころ音楽の授業で習ったので、思わず「あしーた~はーま~べーぇーをー♪」と一緒に口ずさんでいました(ただし、小声で)。そして、フィナーレではサン=サーンス作曲の組曲「動物の謝肉祭」より、これも良く知られた曲ですが、2台のピアノを含む管弦楽に合唱が付いていて、高校生と中学生の一体感がよくにじみでた、すばらしい合奏となりました。この演奏会の開催にあたっては、相愛大学教授の中谷満先生をはじめ、賛助出演してくれた相愛大学在学生や卒業生など、多くの皆さまのご支援、ご協力を頂戴いたしました。本当にありがとうございました。また、本校講堂を埋め尽くしていただいたご来場の皆様にも、若者の息吹を感じていただけたことと思います。この場を借りまして、改めてお礼申しあげます。このあとも各種コンサートが開催されますので、よろしければまたご鑑賞ください。

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 さて、11月3日(祝)の文化祭に向けて、生徒の皆さんは各クラスやクラブの準備で大忙しです。年に1度のお祭りですから、大いに楽しんでください。校長先生も人生初の「乙女祭」、ドキドキ、ワクワクです。皆さんガンバってくださーい!