「沙羅の木だより」第34号


平成30年12月4日


 はやいもので、気がつけばもう12月に入っていました。今年は暖冬のせいか、御堂筋のイチョウ並木にはまだまだたくさんの葉が残っています。体の節々が痛い、血圧値や中性脂肪値が高いなど、最近、老化現象が著しいこの私でも、この冬はまだまだコートなしで頑張れています。

20181204_saranoki_01.JPG さて、12月は別名「師走」とも呼ばれますが、ほとんどの月が皐月、神無月など「○○月」と書くのに、12月は師が走ると書いて師走です。この語源については諸説ある中、いちばん有力な説は、師走の「師」は僧侶、つまりお坊さんという説です。平安時代後期の辞書である「色葉字類抄(いろはじるいしょう)」の中に「しはす」という言葉で表されています。12月はお寺が忙しく、お師匠様である僧侶がお経を唱えるために、東西南北を馳せ参じる(駆けまわる)様子から、師馳す(しはす)と呼ばれたというものです。これが時代とともに、師が馳せるではなく師が走るとなって、現在の師走に変わっていったのだろうというのです。その他にも、1年の最後ということで年が果てるという意味から、年果つ→としはつ→しはす→しわすとなった説。四季の最後ということで、四季が果てる、四果つ(しはつ)→しはす→しわすとなった説など、時や季節の締めくくりとしての意味がついたものもあります。
 

 こう見てくると、色葉字類抄に書かれている師馳す→師走がもっともらしく思えますが、色葉字類抄には当時の語源俗解(科学的根拠のない誤った語源解釈)がかなり入っていたようで、本当かどうか?というところは、かなり疑問があるようです。平安時代後期には、師走の意味について、すでに分からなくなっていて、何となく聞こえが良く、収まりの良いものをそのまま辞書に載せた、というのが本当のところかもしれません。確かに、師走と呼ばれる12月、お坊さんは忙しいのでしょうが、忙しさで言えば夏の「お盆」の方が大変だと思うのですが...。

 師走恒例となった今年の流行語大賞が昨日発表され、平昌五輪で銅メダルを獲得した女子カーリング日本代表が用いて話題になった「そだねー」が年間大賞に選ばれました。ちなみに、ベストテン入りしたのは、eスポーツ、(大迫)半端ないって、おっさんずラブ、ご飯論法、災害級の暑さ、スーパーボランティア、ポーっと生きてんじゃねーよ!、#MeTooだそうです。残念ながら、私はその半分くらいしか知りませんが、個人的には、かつての「だっちゅーの」や「なんでだろ~」の方が親しみやすくて良いかもです。

 相愛中高では、いよいよ7日(金)から期末考査が始まります。生徒の皆さんは、眠い目をこすりながら試験勉強に精を出していることと思います。考査が終われば冬休み、クリスマスにお正月もやって来ます。ガンバロー!