「沙羅の木だより」第41号

 
平成31年1月30日


 若い頃、「趣味は何ですか?」と尋ねられたら、いつも「スポーツとクラシックです」と答えていました。教諭時代はずっとバレーボール部顧問で、放課後や土日はいつも体を動かしていましたし、一時期ゴルフやテニスをかじっていたこともあり、スポーツはもちろん「するスポーツ」でした。しかし、40代前半に教育委員会勤務となってからは、デスクワークに追われ、次第にスポーツとは疎遠になっていきました。また、公立高校長時代、何度かスキー修学旅行に付き添ったときも、ケガが怖くて一度もスキー板に乗ることはありませんでした。年齢のせいか「やる気はあるけん、体がついてこん!」、今やスポーツは、もっぱら「観るスポーツ」が中心となりました。野球、ラグビー、大相撲などテレビでよく観戦するのですが、最近は、サッカーアジアカップ2019を追っかけているので、この金曜日深夜に行われる決勝戦、「日本VSカタール」は見逃せません。次の日、校長室でこっくりしないよう頑張ります。


 さて、私のもう一つの趣味「クラシック」ですが、高校生の頃、「ジェットストリーム」というFM大阪の深夜番組をよく聴いていました。当時、イージーリスニングが全盛時代で、ポール・モーリアの「オリーブの首飾り」やレーモン・ルフェーブルの「シバの女王」などは、今でもBGMとしてよく使われています。私はパーシーフェイスがお気に入りで、LPレコードを5~6枚持っていましたし、旧フェスティバルホールの来日演奏会にも行きました。特に、「夏の日の恋」はロマンティックな名曲ですし、ディスコティック調の「夏の日の恋'76」もお勧めです。一度、「YouTube」でご試聴ください。


 そんな私がクラシックに興味を持ち始めたのは、地方大学のオンボロ寮での3回生次、同室となった神戸出身の1回生「カタやん」の影響です。カタやんは、大阪フィルハーモニー交響楽団音楽総監督の朝比奈隆を神と崇める、いわゆる「朝比奈教」の信者で、朝な夕なにラジカセからモーツァルトやベートーベンを流し続ける熱狂的クラシックファンでした。当初、ただの騒音に過ぎなかったクラシックでしたが、半年くらい経つとすっかりマインドコントロールされ、私もまたクラシックの虜と化していました。マーラーやブルックナーといったディープなクラシックまで「聴教」してくれたカタやんは、卒寮時にはすっかり私の師匠となったのです。

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 あれから40年、自宅のLPならぬCDは40~50枚となり、マイカーで聴く音楽はクラシック限定、ラベルの「ラ・ヴァルス」が一番のお気に入りです。そんなクラシック好きの私が、音楽科のある相愛高等学校の校長を務めるようになったのも、何かのご縁とつくづく感じる今日この頃です。
2月1日(金)午後2時半から、中学校音楽科進学コースの皆さんによる乙女コンサートが開催されます。ぜひ、ご来校のうえご鑑賞ください。