去る11月10日(日)四天王寺高等学校・中学校において2019ー20年度国際ロータリー第2660地区インターアクト クラブ年次大会が行われ、我が校のインターアクターたちも参加しました。

グローバル化に向かう時代にふさわしく「心の物差しをたくさん持とう〜interact meets Diversity 〜」が今回のテーマでした。全盲でブラインドサッカーの現役選手でもある株式会社ミライロの原口淳氏の講演から大きな刺激をいただきました。

まず午前の講演では、「バリアフリー」が障害者の一部しか対象にしていない和製英語に近い語で、海外では役に立たない語であること。それより「ユニバーサルデザイン」がより包括的な語であり、障害が人に帰属するものでなく「環境」によるものであることを教えていただきました。

また、バリア(障害)にバリュー(価値)があることもあると、氏の経験から例を挙げられたことは説得力がありました。氏によれば、一般に人間の認知は、目からの認知が87%であるにもかかわらず、それを持ち合わせない氏の聴力の働かせ方が、氏の人生を彩る力になったという話には会場全体が感銘を受けました。

つづく午後のワークショップでは、目の見えない人に、今見えているものをいかに伝えるかという体験ワークに始まり、音声による伝達の工夫のレクチャー、また聴覚障害者に伝える体験ワークに及びました。

今この記事を読んでいる方にも、一つ試してもらいたい聴覚障害者体験ワークを紹介しておきましょう。
「5000円札を1000円札に両替してください」これを筆記なしで伝達してみてください。
会場のインターアクターたちは懸命に取り組んでいましたが、時として5000円札1枚と1000円札1枚を交換してくださいというようなとんでもない珍回答が生じるらしいです。トレーニングですから笑ってすませることができますが、現実はそうはいきません。

これから先、グローバル化やダイバーシティに進むことはよく知られているところです。ユニバーサルマナーが、障害のある方ばかりでなく異国の方々との障壁を取り除くことができるだろうとの見通しもいただきました。自分たちの暮らしやモノの考え方についても考え直さねばならない時にあり、貴重な示唆を与えていただきました。
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インターアクトクラブ顧問