「沙羅の木だより」第39号


平成31年1月15日


 昔から「一月往(い)ぬる二月逃げる三月去る」といいます。これは、正月から三月までは行事が多く、あっという間に過ぎてしまうことを調子よくいったものです。学校現場でも、3学期は1年をとおして一番短い期間ですが、締めくくりの学期としてとても重要な3か月です。今月末には高3の学年末考査(いわゆる卒業試験)、2月末には高3以外の学年末考査と、卒業や進級がかかった大切な試験が実施されます。併せて、今週末から中学校入試が、続いて2月には高校入試が並行して行われるなど、慌ただしい日々になりそうです。

 さて、インフルエンザの流行が気になる季節となりました。十年ほど前までは、急な発熱や筋肉痛、食欲不振など全身症状が強く現れて、「インフルエンザ?」と医療機関で診てもらっても、検査結果が出るまでに1週間程度かかっていました。しかし現在は、迅速診断キットによる検査が一般的で、細い綿棒のようなもので、のどの奥や鼻の奥をこすり、そこについた組織や分泌物を処理液に浸して検査キットに滴下することで、陽性か陰性かの判定が行われます。検査時間は10分~15分と非常に短く、また、患者にとっては、のどや鼻の奥をこするときの痛みがあるものの、非常に簡便で受けやすい検査となっています。しかし、一方で、インフルエンザウイルスの量がある一定以上に達していないと陽性と判定されにくいという欠点があります。インフルエンザに感染後、インフルエンザウイルスが体内で増殖されるまでには時間がかかるため、12~24時間経過してこの検査を行わないと、陰性という結果が出てしまうことがほとんどだそうです。一度医療機関でインフルエンザの検査を受けたときには陰性といわれ、後日再検査で陽性といわれたケースの多くがこのタイプの検査を受けた人だということです。

 かつて、1918年から翌年にかけて、地球レベルでインフルエンザが大流行したことがあり、世界人口の約50%が感染し、25%が発症したと見積もられています。死者数は2,000万人以上にのぼり、疫病史上有数の大被害となりました。このパンデミック(世界流行)は、スペイン王室の罹患が大々的に報じられたことから、その後「スペインかぜ」と呼ばれるようになりました。

 インフルエンザの予防には、インフルエンザワクチンの接種が有効で、重症化を予防し、健康被害を最小限にすることが期待されます。また、外出後の手洗い・うがいは感染症予防の基本です。インフルエンザが流行してきたら、特に疲労気味、睡眠不足の人は、なるべく人ごみや繁華街への外出は控えましょう。やむを得ず外出するときは、マスクを着用しましょう。

20190115_saranoki.JPG

 これからますます寒さが厳しくなっていきます。今度の土日は、大学入試センター試験が全国で一斉に実施されます。受験生の皆さん、あと数日、体調を整えてベストの状態で試験に臨んでください。頑張りましょう!