「沙羅の木だより」その11


令和元年6月18日


 前号で梅雨について触れましたが、依然として、近畿から九州北部にかけての西日本では梅雨入りしていません。今週半ばが梅雨入りの一つのタイミングとなりそうですが、梅雨前線が本州付近にしっかりと停滞するわけではなく、まだはっきりしないようです。また、ここで梅雨入りしたとしても、雨が降り続くわけではなく、福岡県など水不足が懸念される地域では、引き続き水の管理に注意が必要とのことです。毎日、洗濯物を干せるのはありがたいことですが、しかし、このままの状態が続けば、農作物の成長にも少なからず影響がでるでしょうし、ものごとは何でも「中庸」程々がいちばんなのですが。


 毎朝正門に立っていると、場所柄、よく道を尋ねられることがあります。いちばん多いのは、靭公園への行き方なのですが、なかには「このビルへはどう行けば」と聞いてこられる方もいて、大阪生まれの大阪育ち、地理が専門の私でも、さすがにビル名までは熟知していませんので、その際は、住所を聞き直すようにしています。


 今朝も二組に道案内をさせていただきました。一組目は中国系の4人グループから、近くのホテルへの行き方を英語で尋ねられました。差し出された携帯の地図アプリを指さし、流暢な英語でスラスラ話したかったのですが、「the second intersection」・・・「turn right」・・・と単語を羅列するのが精一杯でした。それでも何とか伝わったようで、ほっと一息でした。


 二組目は中年のサラリーマン風の男性から、御堂筋沿いのあるビルへの行き方を尋ねられました。その方は詳しい地図のコピーをお持ちでしたので、その紙面を指しながら丁寧にスラスラお教えしたところです。このように日本語が前提であれば、安心、確実にご案内することが可能なのですが、外国人の場合、どうしても身構えてしまいます。私が子どものころ、大阪で外国人の存在はまだ珍しく、たまに見かけたら立ち止まって振り向いたものです。中1の遠足で訪れた1970大阪万博で、英語の宿題「外国の人々に英語で話しかけよう」がほとんどできなかった小心者の私ですので、還暦を過ぎた今も、無意識のうちに外国人と目線を合わさないようにしている自分がいるのかもしれません。


 観光庁が昨年発表した2018年4月から6月にかけての「訪日外国人消費動向調査」によると、インバウンド観光客がいちばん多く訪問しているのは、東京でもなく京都でもなく大阪でした。(訪問率ベースで大阪府41.8%、東京都41.6%、千葉県34.1%の順でTOP3)近年、キタやミナミには外国人観光客が多く見られますし、御堂筋界隈には新しいホテルが次々オープンしています。6年後には2025大阪万博も開催されることですし、一念発起して、今から英会話でもやりますか。「五十の手習い」ならぬ「六十の手習い」かな。

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