「沙羅の木だより」その15


令和元年7月12日


 このたび、学習指導要領が約10年ぶりに改訂され、中学校では2021年から全面実施、高等学校では2022年度から年次進行で実施されます。新学習指導要領では、「主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)」の視点からの授業改善が重視されています。「何を学ぶか」だけでなく、「どのように学ぶか」を重視して、授業を改善していくことで、生徒たちが学んだ一つ一つの知識がつながり、「わかった」「おもしろい」と思える授業、周りの人たちと共に考え、新しい発見や豊かな発想が生まれる授業などを工夫して、生徒たちの資質・能力をはぐくんでいきます。


 また、高等学校において「探究型学習」が重視され、従来の「総合的な学習の時間」が「総合的な探究の時間」となり、「古典探究」「地理探究」「日本史探究」「世界史探究」「理数探究」「理数探究基礎」など新しい科目が設置されることになりました。そもそも、探究型学習とは、与えられた課題に対して、生徒が情報収集、情報の整理・分析、結論のまとめとプレゼンテーションを自ら主体的に行うことで、課題解決に必要な思考力・判断力・表現力などを養う学習方法で、文部科学省では、探究型学習を「自ら学び自ら考える力の育成」と定義し、従来の習得型の学習と合わせて,総合的な育成が必要であるとしています。


 本校でも、新学習指導要領の実施に向けた取り組みを順次進めているところですが、昨日7月11日(木)その一環として、高2の皆さんが「SDGs de 地方再生カードゲーム」を行いました。今や未来に向かう地域づくりのキーワードとして欠かせなくなった「SDGs(持続可能な開発目標)」は、2030年に向けて多くの国や地域で様々な取り組みが始められています。日本でも自治体や企業が行動目標として掲げて活動を始めており、私たち相愛中高も参加しています。(詳しくは「沙羅の木だより:その5」をご参照ください) 

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このSDGsの考え方を、地域の課題や未来に沿った形で「自分ごと」として捉え直してみようというのが「SDGs de 地方再生カードゲーム」です。「潤いのある豊かな生活を安心して営むことができる地域社会」をめざすために、誰一人として取り残さないを誓うSDGsのアプローチで、住民、事業者、行政、NPO,自治会、商工会、農協、学校などの個別の立場や組織を越えて、持続可能な地域の未来を実現するための活動を疑似体験しました。二会場に分かれて参加した高2の皆さんは、期末考査終了の解放感もあって、ゲーム形式の体験学習に大変な盛りあがりようでした。株式会社ツナグラボの中西將之さんにはファシリテーターとして、ユーモアを交えながら明快な説明・進行に努めていただき、ありがとうございました。今後も、相愛中高ではアクティブ・ラーニングや探究学習に、積極的に取り組んでいきたいと考えています。