「沙羅の木だより」その21

令和元年8月23日


 夏の甲子園大会は、履正社が星稜を破って春夏通じて初の日本一に輝きました。昨夏の大阪桐蔭に続き、2年連続で大阪勢が頂点に立ちました。大阪人としてはうれしい限りですが、スポーツって、観る者すべてに夢と感動を与えてくれますね。履正社高校の関係者の皆さん、おめでとうございます。


 さて、「生駒山 みどりすがしく 美はしや わが学び舎 青空のしるべをし あこがれて やすらひを讃えまし あらき世の人のため ああ 相愛の乙女われら 立ちよるや 沙羅の木のかげ」 これは相愛学園歌の一番ですが、この学園歌は、創立70周年を迎えた1958(昭和33)年、当時、相愛女子大学音楽学部長の職にあった山田耕筰氏が作曲し、詩人の大木惇夫氏が作詞して創作されたものです。その披露演奏会が5月17日、新築がなったばかりの旧講堂において、指揮:山田耕筰、独唱:山田真梨子、合唱:音楽科学生生徒200名、演奏:関西交響楽団(現大阪フィルハーモニー交響楽団)という豪華なメンバーによって行われました。山田耕筰氏といえば、童謡「赤とんぼ」や「全国高等学校野球選手権大会(夏の甲子園)入場行進曲」で知られる、日本を代表する作曲家、指揮者であり、「音楽の相愛」というブランドは山田耕筰氏によって確立されました。


 令和の時代も、学園歌は歌い継がれていますが、生徒・母親・祖母とも同窓という相愛ファミリーも多く、親子三代で学園歌を歌っておられる光景は微笑ましい限りです。とても気品に満ちたすばらしい名曲なのですが、いかんせん、女子校の学園歌ゆえ、男性が歌うには音が高すぎて十分に声が出せません。地声が高めの私でも、高音部に入ると声がかすれ、裏返り、そして出なくなってしまいます。皆さんも、YouTube等で一度試聴してみてください。


 ちなみに、演奏会の翌日には大木惇夫、吉川英治、丹羽文雄、亀井勝一郎の諸氏によって、文芸講演会「親鸞を語る」が開催されました。文芸講演会は1968(昭和43)年まで計13回行われ、水上勉氏や円地文子氏など、わが国の文壇を代表する方々が広く市民向けに講演を行われました。高度経済成長のはじまりと相まって、相愛学園が輝かしい歴史を刻んだ時代の出来事です。


 いよいよ、8月26日(月)から第2学期が始まります。当日は始業式に続いて、さっそく中高とも宿題テストが実施されます。夏休みモードから一日も早く平常モードに切り替えるためにも、生徒の皆さんには、夏休み期間の学習成果を存分に発揮してもらいたいと思います。


最後に、中学校新体操部が25日(日)、橿原市のジェイテクトアリーナ奈良で開催される「第50回全国中学校新体操選手権大会」団体競技に出場します。各地の予選を勝ち抜いた全国の28校が、中学校ナンバーワンをめざします。ガンバレ、相愛中学校!

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