「沙羅の木だより」その30


令和元年10月8日


 令和元年は、不幸にして台風の当たり年でしょうか、9月初旬、千葉県に上陸し各地に大きな傷跡を残した台風15号に続いて、台風19号が8日午前現在、マリアナ諸島沖を西へ進んでいます。今後北上してやや勢力は衰えるものの、13日未明にも非常に強い勢力で東・西日本に接近、上陸する恐れがあるそうです。中心気圧は915ヘクトパスカル、最大風速は55メートル、最大瞬間風速は75メートルと、大型で猛烈な台風となっています。どうか大きな被害がでないよう、切に願うばかりです。


 私が子どものころ、台風が近づいてくると、父親が窓という窓に板を釘で打ち付けガラスが割れないようにしていました。また、台風や落雷によって、街全体が数時間にわたって停電することがしばしばあり、太いろうそくと懐中電灯が家庭の必需品になっていました。これだけ科学技術が進歩した現代にあって、台風の進路を変えたり、台風の勢力を小さくしたりということは、まだ不可能なようで、それだけ自然の力、猛威はものすごいエネルギーを持っているということかもしれません。


 さて、相愛中高では、日々の学習を通じて、生徒の皆さんが豊かな人生を送るために必要な知識と教養を身につけるとともに、併せて、女性としての強さ、美しさを身につけることにも力を入れています。放課後の『Soai教養講座』では、各分野ごとに専門の先生をお招きして、希望者を対象に月3回行っています。今年度は、茶道、華道、書道、筝曲、金管楽器、木管楽器、ピアノ、英会話、バレエ、デッサン、フラダンスの計11講座を開講しています。


 また、今日10月8日、和の文化に触れ学ぶことを目的に、高3生の皆さんが恒例行事の「着付け」を行いました。朝からチャレンジしたものの、洋服とはまったく勝手が違い、「しんどーい」「くるしー」と悪戦苦闘しながらの着付けとなったようです。着付けが完成すると一転、皆さんご満悦の表情で、あいにく、小雨模様の中でしたが、北御堂さんの大階段で全員そろって記念写真を撮りました。百数十名のあでやかな『SAK48』のセンターに立ったのは、他でもないこの私です。校長の数少ない特権の一つですが、美しい娘たちに囲まれて幸せなひとときでした。慣れないきものと草履姿に、足元がおぼつかない生徒もいなかったわけではありませんが、そのあと、思い思いに御堂筋へと出かけていきました。道中、外国人観光客から写真を撮ってもらったり、行き交う人々の注目を集めたことでしょう。本校生の着付けにご協力いただいております、全日本きもの振興会の着付け師の方々、皆さまのお力添えがなければこの行事は成り立ちません。今年もたいへんお世話になり、誠に有難うございました。厚くお礼申しあげます。全国の皆さん、11月15日は『きものの日』だそうです。きものを着ましょう。


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