「沙羅の木だより」その34


令和元年11月1日


 先日、文化庁が実施した平成30年度の「国語に関する世論調査」の結果が公表されましたが、それによると、「憮然(ぶぜん)」の意味を本来の「失望してぼんやりとしている様子」ではなく、「腹を立てている様子」だと思っている人の割合が56.7%に上りました。


 この調査は、国語への理解や意識を深めることを目的に平成7年度から毎年実施されているもので、今回は16歳以上の男女3590人に面接し、1960人から回答を得たとのことです。「憮然」の本来の意味を理解しているのは28.1%で、同じ質問をした15年度と19年度の調査に比べると10ポイント以上増えたそうですが、依然として誤用が多い実態が浮き彫りとなりました。


 また、「砂をかむよう」の意味を「悔しくてたまらない様子」だと思う割合は56.9%、「御の字」を「一応、納得できる」と思う割合も49.9%に上りました。いずれも本来の意味でなく、担当者は「『砂をかむよう』については、漫画などで悔しいときに登場人物がハンカチをかむ描写が出てくるので、『かむ』となると『悔しい』と解釈したのでは」と推測しています。


 このほか「天地神明に誓って」を「天地天命に誓って」と、「論陣を張る」を「論戦を張る」と誤用している割合も、それぞれ5割前後に上ったそうです。


 さて、この結果を受けて、皆さんはどのようにお感じになられたでしょうか。その昔、国語の時間に漢字や熟語の読みについては、しっかり習った記憶はありますが、その意味まで十分に勉強したかといえば、「?」です。最近は、テレビのクイズ番組で国語問題がよく出題されているので、私もこの年にして、「へえ、そうだったん!」と、長年の誤用に気づくこともしばしばです。


 さて、今日から11月に入り、令和元年も残すところ2カ月となりました。校内は3日(日)の「乙女祭」を控え、慌ただしくなってきました。今日まで平常授業で、明日2日(土)は終日準備と午後から前夜祭が行われます。今年の乙女祭のテーマは「Dreamy」です。中学コーラスコンクール、舞台・展示発表や喫茶・模擬、縁日など、創意と工夫を凝らして、おもてなしの精神でお客さまをお迎えします。年に一度のお祭りですから、生徒の皆さんも思う存分楽しんで、まさに「夢のような」一日を過ごしてほしいと思います。

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 ちなみに、私の文化祭の思い出はというと、高1のときクラスで取り組んだ8ミリ映画(家庭用ビデオがない時代の代物)です。テレビCMのパロディ集で、当時、大流行していたセ〇ルチョコレートの男優役を私が演じ、恋人の女優役をカトーさんが演じました。本物の男優と女優は、このあと映画でも共演を繰り返し、数年後に結婚するのですが、(もう誰のことかお分かりですね)実は30数年前の私、この男優にちょっと似ていると言われていました。念のため申し添えますが、30数年前、の、スマート、だった、私、です、よ。