「沙羅の木だより」その40


令和元年12月10日


 御堂筋のイチョウ並木も、風が吹くたびに1枚2枚と黄色い葉が落ちていきます。毎朝、北御堂さんの山門に立って生徒の皆さんを出迎えていると、寒風が身にしみる季節になりました。教師生活の大半を生徒指導担当として過ごしてきた私は、朝正門に立つことが日課となっているのですが、それでも、これからの時季は相応の忍耐力を必要とします。ヒートテックですっきり、あったか、明朝も笑顔で生徒の皆さんをお迎えしたいと思います。

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 9日の日曜日午後、大東市立総合文化センターへ「第32回大東第九コンサート」を聴きに行ってきました。私の自宅から会場のサーティホールまでは、車で30分かからない距離にあり、久しぶりに阪奈道路をクネクネ下って、大東市まで向かいました。このコンサートに行くきっかけは、卒業生の松蔭ひかりさんがソリストの一人として第1部に参加するということで、ぜひ聴きに行こうと思った次第です。彼女が演奏したのは、ハイドン作曲「チェロ協奏曲第1番ハ短調」、管弦楽は「千里フィルハーモニア・大阪」でした。チェロは哀愁漂うすてきなメロディをさりげなく奏でる楽器で、その音域は広く、低音と高音がバランスよく収まっています。そんなイケメン楽器チェロを、大学生になったばかりの彼女が、まるで人生を朗々と語るかのように、自由巧みに弾きこなしていました。さすが、第72回全日本学生音楽コンクール全国大会、チェロ部門高校第1位の松蔭さん、演奏終了後は会場から割れんばかりの拍手が沸き起こっていました。


 メインプログラムのベートーベン作曲「交響曲第9番ニ短調Op125『合唱付き』」は、いきなり第4楽章「歓喜の歌」から始まりました。守山俊吾指揮の千里フィルがなかなかの熱演で、4名のソリストと200名を超える市民合唱団との息もよく合っていて、すばらしい演奏会となりました。私もかつて、朝比奈隆指揮の大阪フィルハーモニー交響楽団「第九シンフォニーの夕べ」に毎年通っていましたが、ナマで第九を聴いたのはおよそ30年ぶりです。ベートーベンの交響曲第9番は1時間以上かかる大曲で、緩やかな心地よいメロディが流れる第3楽章では、つい夢の中へ誘われてしまう人が続出することもあって、今年から第4楽章のみの演奏となったのでしょう。(あくまで個人の感想です)


 音楽はいつでも、どんなときでも聴く人の心を温かく、そして豊かにしてくれます。私はこれまで常に聴く側の一人でしたが、あの合唱団には白髪の男性も大勢参加しておられたことだし、ここらで一念発起して、六十の手習いとまいりますか。そう言えば、「新規会員募集中」って書いてありましたね。


さて、6日から始まった期末考査も、明日11日(水)ですべて終了となります。生徒の皆さんが楽しみにしている冬休み、お正月がもうすぐやって来ます。最後まで全力を尽くしてがんばってください。応援しています。