「沙羅の木だより」その43


令和2年1月9日


 あけましておめでとうございます。皆さま健やかに新年をお迎えになられたことと思います。本年も相愛中学校・高等学校、そして沙羅の木だよりをよろしくお願いいたします。
 昭和、平成、そして令和と、時代の遷り変わりとともに、日本の伝統的な習慣や文化もさまざま変化してきました。私が幼いころ、年の暮れになると親戚がわが家に集まってもちをつくのが恒例になっていました。昭和30年代まで、大阪市内の実家には土間やかまどがあって、大人たちが蒸したもち米を石臼と杵でぺったんぺったんついていました。姉妹やいとこなど、子どもたちも大勢いて、つきあがったもちを丸めてもち箱に並べるのが役目でした。思えば、昔は学校でももちつきをしていましたが、いつの間にかそういう光景は消えていきました。一時期、流行った家庭用もちつき機も近ごろは姿を見なくなり、わが家でも正月用のもちは近所の和菓子屋さんで買っています。

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 正月にいただくおせち料理も、黒豆や数の子、ごまめなど、わが家で母や祖母が数日かけて手作りしていました。つい、つまみ食いをして、よく叱られた記憶があります。正月にふるまわれる料理を「おせち料理」と呼ぶようになったのは江戸時代で、もともとは収穫物の報告や感謝の意を込め、その土地でとれたものをお供えしていたようですが、暮らしや食文化が豊かになるに従い、山海の幸を盛り込んだご馳走となり、現在のおせちの原型ができたそうです。また、正月三が日はかまどの神様に休んでもらおうという気持ちの表れや、主婦を家事から解放するという意味も込め、保存の効く食材が中心のものになったといわれています。ちなみに、わが家のおせち料理はというと、毎年近所のスーパーで買ったものをいただいています。



 お雑煮についても、すましか白みそか、丸もちか角もちか、もちを焼くのか煮るのかなど、それぞれ地域によっていろんな違いがあるようで、狭い日本でも様々な習慣・文化が見られます。わが家では、白みそ仕立てで丸もちを焼いて入れますが、具材はさといも、にんじん、だいこんと決まっています。皆さんの地方ではいかがでしょうか?



 さて、本校では昨日8日、第3学期始業式を行いました。久しぶりに生徒の皆さんの元気な様子を拝見し、安堵したところです。校長講話では、「人の痛みがわかる、人の気持ちを思いやれる優しい心の持ち主になって、いじめのない、いじめを許さない学校をつくっていこう」「第3学期は大事な締めくくりの学期、自分の目標に向って何事にも積極性を持とう」と呼びかけたところです。式後は、いきなり「宿題テスト」ということで、生徒の皆さんは眉間にしわを寄せながら問題用紙と格闘していました。校内のあちこちで、友人と楽しそうに会話する姿がとても印象的でした。3学期もがんばりましょう!