「沙羅の木だより」その44



令和2年1月14日



 1月13日は令和初めての「成人の日」で、新成人およそ122万人が大人の仲間入りをし、各地で成人式が行われました。本校では、去る5日(日)の午後、津村別院に平成29年度高校卒業生が参加して「成人の集い」が開催されました。毎年恒例になっているこの式典は、卒業後初の同窓会でもあり、厳粛な雰囲気の中にも、懐かしい旧友との再会に笑顔が絶えませんでした。近くのホテルに場所を移して行われた第二部の祝賀会では、旧担任の先生方を囲んで、しばしの間、高校時代にタイムスリップして、思い出話に華を咲かせ和やかなひとときを過ごしていました。

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 40数年前、地方の大学で寮生活を送っていた私は、近くの市民会館で開かれた成人式に寮生数名と参加し、小さなアルバムをもらって帰った記憶があります。式の帰りに、九州出身のA君が「今日を機にさ〇もタ○コもやめる!」と突然宣言したこと、昨日の出来事のようによく覚えています。



 さて、皆さんもご存じのとおり、成年年齢が2022年4月から、現行の20歳から18歳に引き下げられます。明治時代から今日まで約140年間、日本での成年年齢は20歳と民法で決められていました。この民法が改正され、2022年4月1日から成年年齢が20歳から18歳に変わります。これによって、2022年4月1日に18歳、19歳の人は2022年4月1日に新成人となります。近年、公職選挙法の選挙権年齢や憲法改正国民投票の投票権年齢を18歳と定めるなど、18歳、19歳の若者にも国政の重要な判断に参加してもらうための政策が進められてきました。こうした中で、市民生活に関する基本法である民法でも、18歳以上を大人として扱うのが適当ではないかという議論がなされ、成年年齢が18歳に引き下げられることになりました。



 成年に達すると、携帯電話を契約する、一人暮らしの部屋を借りる、クレジットカードをつくるといったとき、親の同意がなくても、こうした契約が一人でできるようになります。また、親権に服さなくなるため、自分の住む場所、進学や就職等の進路なども自分の意思で決定できるようになります。また、女性が結婚できる最低年齢は16歳から18歳に引き上げられ、結婚できるのは男女ともに18歳以上となります。一方、成年年齢が18歳になっても、飲酒や喫煙、競馬などの公営競技に関する年齢制限は、これまでと変わらず20歳です。健康面への影響や非行防止、青少年保護等の観点から現状維持となっています。



 ところで、成年年齢が引き下げられると、成人式はどうなるのでしょう。成年年齢が18歳に引き下げられた後、対象は18歳の人に変わるのか、変わった場合は高校3年生の1月という受験シーズンに実施していくのか、施行後初となる2023年1月の成人式は、18歳、19歳、20歳の3世代同時に実施するのかといった課題があると指摘されており、各自治体の今後の動向が注目されます。