明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。
本日、津村別院(北御堂)において、元旦礼拝を行いました。 相愛学園の教職員や生徒をはじめ、保護者の方々、卒業生など合わせて約30名の方々にお越しいただきました。
献灯・献花があり、讃仏偈を読経後、安井校長より新年のご挨拶ならびにご法話をいただきました。
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<安井先生 ご法話>
新年明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
2017(平成29)年始まりにあたり、北御堂にようこそのお参りでございます。こうして恙無く(つつがなく)=病気や事故、異常がなく無事であることの意 生徒、保護者のみなさまとでご一緒に、新しい年の始めをお祝いできますことを、関係教職員ともどもに喜びたいと思います。
この喜びの気持ちを表現する言葉が「ありがとう」なのです。日々の糧3日朝を思い出してください。『あり得ないことが今おこったという それが「ありがとう」の意味なのだ』・・・でしたね。平和、穏やかにこうして笑顔をかわしながら新年の祝詞が述べられる喜びを「あたりまえ」と勘ちがいいしてはいけません。私たち相愛に学ぶ者として、仏教徒として、「あり得ないこと」が今おこっていることに感謝して今日の元旦を迎え、新年を過ごす心積もりをいたしましょう。
さてみなさん、突然の質問ですが、今朝「初日の出は見られましたか?」とお尋ねするのと、「初日の出は見れましたか?」とお尋ねするのと、どちらが耳になじんでいらっしゃいますか?中高生のみなさんは多分「見れましたか?」の方でしょうね。ご自身でもそう使ってらっしゃる。といいますのも、昨年秋に、文化庁文化部国語課が発表した2015年度「国語に関する世論調査」により明らかになったことなのです。可能の助動詞「られる」の「ら」が脱落した「ら抜き」言葉について、「今年は初日の出が見れた」を使うと答えた人は48.4%で、「見られた」を使うと答えた44.6%を上まわったという結果が報告されました。「早く出れる?」を使うと答えた人も45.1%で「早く出られる?」の44.3%を超えました。10代の人は8割近くが「見れる」「出れる」を使うと答えていますので、「早を出られたので、初日の出が見られた」と言っているのはお年寄りだということになってきますね。専門家によりますと、「尊敬や受け身の意味を含む『られる』から『ら』を抜くことで可能の意味を表すときに『ら』を抜くことは合理的な変化であるとも考えられるとのことでした。しかしさすがに、御節料理を「こんなにたくさんは食べられない」と「こんなにたくさんは食べれない」のどちらを使うかでは「食べられない」が60.8%、「食べれない」が32.0%とまだ逆転されていません。
言葉は生きものですから、新語や造語、それに年の瀬恒例になった流行語大賞で「神ってる」が一位になって、年寄りの私たちにはついていけない変化が起きていますね。合理的な変化なら容認できますが、言葉の乱れや本来の意味のとりちがえは注意したいものです。
「ことば」はその人の「こころ」のあらわれでもあります。見えない心も「ことば」で見える・・・は日々の糧の10日夕にありましたね。大切にしなければならないこと、大切にすべきところをわきまえて、親しい間柄であっても美しい言葉遣いを心掛ける新年にしてください。
蛇足ながら同じ調査からもう一点触れておきます。「美しい日本語があると思いますか?」の問いに、「ある」が90.8%の高率を示しました。その、「ある」と答えた方々に「美しい日本語はどのような言葉ですか?」を尋ねますと1位が「思い遣りのある言葉」、2位「挨拶の言葉」、3位「季節の移り変わりを表す言葉」、4位が「控えめで謙遜な言葉」、5位が「短歌、俳句などの言葉」となりました。参考にしてください。
これをもちまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。
ようこそのお参りでございます。

御流盃の儀を行い、記念写真を撮った後は、みなさんと一緒にお汁粉をいただきました。
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今年もよろしくお願いします。


宗教部