「沙羅の木だより」第16号



平成30年8月1日



 東日本から西へ向かうという、異例のコースをたどった台風第12号は、発生してからの進行経路をたどる地図で、「クエスチョンマーク(?)」を描いた後、九州の南海上でループし、さらに東シナ海を西進して中国大陸へと向かっています。これは過去に例がない想定外の動きであり、異常気象のひとつなのかもしれません。


 ところで、台風にはそれぞれ名前が付けられていることを皆さんご存知でしたか。かつて、連合国軍による占領下の時代、台風には米国によって英語名(女性名)が付けられていて、昭和22年台風第9号は「カスリーン(キャサリン)台風」、昭和25年台風第28号は「ジェーン台風」などがよく知られています。その後平成12年から、北西太平洋または南シナ海で発生する台風防災に関する各国の政府間組織である台風委員会(日本含む14カ国等が加盟)が、北西太平洋または南シナ海で発生する台風に、同領域内で用いられている固有の名前(加盟国などが提案した名前)を付けることになりました。その結果、平成12年の台風第1号に、カンボジアで「象」を意味する「ダムレイ」の名前が付けられ、以後、発生順にあらかじめ用意された140個の名前を順番に用いて、その後再び「ダムレイ」に戻ります。台風の年間発生数の平年値は25.6個なので、おおむね5年間で台風の名前が一巡することになります。台風の名前は繰り返し使用されますが、大きな災害をもたらした台風などは、台風委員会加盟国からの要請を受けて、その名前を以後の台風に使用しないように変更することがあるそうです。ちなみに、今回の12号は「ジョンダリ」ですが、命名国は北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)で「ひばり」という意味があるそうです。ちなみに、日本が命名した名前はテンビン、ヤギ、ウサギ、カジキ、カンムリ、クジラ、コグマ、コンパス、トカゲ、ハトの計10個あるのですが、これらはすべて星座の名称になっています。いずれにしても、大きな台風がこれ以上やって来ないことを願うばかりです。


 さて、今日から8月に入りました。夏季休業期間の校内は、体育館や校庭から部活動に励む生徒のかけ声が聞こえてくるものの、概ね静かなものです。そのような中、高校1~3年特進コースの皆さんは連日補習が続いています。普段の授業とは違って、90分授業を3コマ(3年は4コマの日もあり)受講するというハードな学習に取り組んでいます。また、この5日(日)からは、前半の総仕上げとして、4泊5日の日程で奈良県の信貴山にこもって学習合宿に取り組みます。多くの高校生がテーマパークや花火大会で遊んでいるこの時期、クラスメートと汗を流しながら学習に集中することで、必ず実力がアップし、皆さんの進路目標の達成に大いに寄与することでしょう。頑張りましょう! 

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